蜻蛉の手帳

北海道東部を拠点に、昆虫のトンボを中心とした観察記録・写真を掲載しています。 なお、某有名文房具とは一切関係ございません。

Isotutuzi
イソツツジ

Simahebi
シマヘビ(幼蛇)

Karakaneito
カラカネイトトンボ:交尾

先週の観察終了後、愛用のカメラ(Canon EOS 70D)の調子がおかしいと思ったら、ついに壊れたようです。
トンボ観察という水気の多い環境で、しかもここ3年は真冬の日中の気温-10℃前後という極寒の環境で活躍してくれたので、仕方がないと言えばそれまでですが、一番の原因は2013年の発売時(=購入時)から、ほぼ一度もメンテナンスに出していなかった私のせいですね。
とりあえずは修理依頼に出す予定なので、しばらくは以前に使用していた懐かしのEOS kiss X5を使っていきます。

そして、改めて写真を見比べると、生きものの良い表情を写しとるのはカメラ本体やレンズの良し悪しだけでなく、本人のセンスが一番左右されるなと、改めて痛感しました。
良い機会なので、初心に帰って自然と向き合おうと思います。
 
 
弟子屈町 2020年7月5日:イソツツジ、シマヘビ by EOS 70D
道東 2020年7月11日:カラカネイトトンボ by EOS kiss X5 

Kakitubata
カキツバタ

6月下旬から、道東はローカル気候現象の『リラ冷え』に入ってしまい、雨ばかりで気温も下がり、トンボたちも一時お休み状態です。月が改まってからようやく天候が好転して来たので、昨年の秋に下調べをしていた湿地へと直行しました。

Karakaneito1
カラカネイトトンボ♂

湿地に足を踏み入れた途端、足下からふわふわと飛び出したのはカラカネイトトンボ。小さいながらも金属光沢が美しく、どことなく北国の雰囲気が漂います。

Karakaneito2
 
目が慣れてくると、そこかしこにいるのがわかるのですが、何せ小さい上に湿地の草丈が低く、おまけにこの日は風も始終吹いていたので、真横から姿を拝むのが中々大変でした。

Karakaneito3
カラカネイトトンボ:交尾

Tanukimo
タヌキモ 
 
Tokisou
トキソウ

カラカネイトトンボについては、かなりの個体数が確認できただけでなく、未熟な個体も多く発生の初〜中期段階かと思われました。他にも普段見慣れない湿性植物が花を咲かせていたので、再び訪れる価値間違いなしです。

Hamabenkeisou1
Hamabenkeisou2
ハマベンケイソウ
 
帰り際に少し足を伸ばして、昨年に計らずも心を奪われたハマベンケイソウも眺めてきました。このプリンセスラインドレス的な花が実に可愛らしいです。

ちなみに昨年、このハマベンケイソウを研究している方に奇しくもお会いする機会があったのですが、別の場所での調査に同行した折に「牡蠣の味がするので食べてみて下さい」と言われ葉を食べてみたところ、本当に生牡蠣の味がしました。
本種が分布する北半球では、地域によってハーブの一種として食しているそうで、『オイスターリーフ』の名で市場にも出回っています。一年ぶりの再会を祝して、今回も葉を一枚頂きましたが、潮の香りを嗅ぎながらだとなお更に牡蠣の要素が満載です。


道東 2020年7月4日
 

Honsanae1
ホンサナエ♂

エゾカオジロトンボ祭り見物の翌日、知り合いの虫屋さんからホンサナエがたくさんいると聞いていた水辺に向かいました。すると出し抜けに発見し、見れば汀で目を光らせるオスの姿が点々と見えます。
歩いて確認した約500メートルほどの範囲だけでも、40個体前後いました。

Honsanae2
個体数が多かった事も幸いしてか、中にはかなり近距離まで寄らせてくれるオスもいたので、広角撮影もこの通りです。

Honsanae3
ホンサナエ♂:パトロール&探雌飛翔

一つ面白かったのが、夕方近くになると多くのオスがホバリング気味に水面近くを飛行する行動を頻繁に行っていた事です。

以前に、オナガサナエのオスが早朝の川面でホバリングを行いながらメスを待つ光景を見た事がありましたが、ホンサナエも似たような行動を取るとは知りませんでした。
また、この日は計5時間水辺で行動を見ていたのですが、その間にメスが現れたのはわずか3回。しかもその内の2回は、オスに捕捉されて連れ去られ、産卵に成功していたのは1回だけでした。それも、オスの密度が一時的に薄くなった瞬間を見計らうかのようにパッと現れ、打水産卵後にすぐさま上空に離脱するという早技で、その間はわずか3〜4秒!?

メスに出会うのは、なかなかに難しそうです。

Ozirowasi
水面を凝視するオジロワシ

陽も傾き、そろそろ引き上げようかと荷物をまとめ始めた時、水面上空にオジロワシが現れ、何やら下を凝視した後に飛び去りました。

Ezosika
水面を泳いで横断するエゾシカ♀

オジロワシの目線の先を辿ると、なんとそこには水域を泳いで横断するエゾシカが。対岸へ行くために、岸辺を回り込まずに近道して泳いで来たようです。
当のエゾシカは「なんでこんなところにいるの!?」という目線を向けていますが、こっちも同じ心境です。エゾシカはこの後無事に上陸し、私に一瞥くれると森の中に消えて行きました。

ホンサナエの乱舞という素晴らしい光景と共に、シカも近道するのだなぁと、面白い事の多い一日でした。 


釧路湿原 2020年6月14日 

Yotubosi
ヨツボシトンボ♂

Ezoito
エゾイトトンボ:産卵

エゾカオジロトンボと同じ場所に、ヨツボシトンボとエゾイトンボもいたのですが、エゾカオジロトンボがあまりにも多すぎるため、隙間を縫うように細々と飛んでいました。
エゾイトトンボはともかく、ヨツボシトンボと言えば北海道の水辺では主の如くに飛び交う種類なので、それが影を潜めるほどの個体数だった事は改めて圧巻の一言に尽きます。

Ezosukasiyuri
エゾスカシユリ

Futamataichige
フタマタイチゲ

植物も晩春から初夏の花に移り、これから水辺の賑やかさも増しそうです。


釧路湿原 2020年6月13日 

Ezokaoziro1
エゾカオジロトンボ♂

昨年は姿を拝むだけで終わったエゾカオジロトンボですが、今年は朝から現場に張り込み、
じっくりと観察を行いました。

Ezokaoziro4

Ezokaoziro3

エゾカオジロトンボ:交尾

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エゾカオジロトンボ♀:産卵

昨年と変わらずにエゾカオジロトンボがもの凄い数で、視界に入るトンボの9割がエゾカオジロトンボ(残り1割はヨツボシトンボ)というお祭り状態でした。

終日観察をしたところ、水辺に訪れるメスの数が少なかったためか、見つかり次第すぐさまオスに捕捉されており、非常に疲弊しているように見えました。と言うのもの、交尾後に他のオスに捕まらなければそのまま産卵に移行していたのですが、最初は飛び上がるのも辛そうにヘタりこむメスばかりで、力を振り絞ってどうにか産卵を始めたくらいに、別のオスに捕まってしまうという状況ばかりでした。

産卵行動は午前から午後にかけて散発的に確認できたのですが、安定して産卵を行えていたのはわずかで、オスがいい加減に疲れてくる午後になると、産卵を長めに行っていたように思えます。

Ezokaoziro5
エゾカオジロトンボ:A型3連結(上から ♂ー♂ー♀の連結)

頻繁に見られたのがこの3連結帯。日本のトンボ(文一総合出版)のエゾカオジロトンボの頁にも『3連結帯が頻繁に観察される』との記述がありますが、30分に1回の頻度で確認できるほどでした。
この状況から見ると、エゾカオジロトンボのオスは動くものがあれば雌雄や別の種に関わらずとりあえず突撃して、『メスだったらラッキー!』という感じなのかもしれません。


釧路湿原 2020年6月13日 

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