蜻蛉の手帳

北海道東部を拠点に、昆虫のトンボを中心とした観察記録・写真を掲載しています。 なお、某有名文房具とは一切関係ございません。

Kaoziro
カオジロトンボ♂

昨年は、エゾカオジロトンボが終日観察しても足りないほど沢山いたのですが、今年は同じ場所でなぜかほとんど見ていません。理由はわかりませんが、年によって特定の種が増減する事は昆虫界でよくあるので、今後も見守りたいところです。
というわけで、写真の主は蝦夷の付かないカオジロトンボですが、しっかりと写真に納めたのはおそらく初です。

Kosanae
コサナエ♂

Kosanae2
コサナエ♂:オニグモの一種(?)に捕食される

ここではカオジロトンボ以外にもコサナエが多くいたのですが、クモに捕らえられている光景もしばしば見られました。
水際へ産卵にやってくるメスを待ち構える生態が仇となったのかもしれませんが、クモにしてみれば作戦勝ちでしょうか。

Oniyanma
オニヤンマ:羽化殻(下が♂、上が♀)

帰りがけに寄った細流では、川辺に生えたタラノキの幼木でオニヤンマの羽化殻が付いていました。
棘だらけの幹をよくぞ登ったなというのもありますが、後から来たメスが先発のオスの羽化殻を利用しているのには、ある種の強かさを感じました。
「前の子が成功したから大丈夫!」という補償付きが良かったのかもしれませんね。


阿寒町 2021年7月22日 

Ruriito3
ルリイトトンボ♂:トビケラの一種を捕食

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ルリイトトンボ:連結帯

Ruriito4
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ルリイトトンボ:交尾
 
Ruriito3
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ルリイトトンボ:産卵

Ruriito5
ルリイトトンボ♂ ×7

夏の北海道の水辺の主役と言えばルリイトトンボ(?)なので、例年にない茹だるような暑さの中、半日水に浸かりながら観察しました。
最後の一枚のように、水中に没した植物に集中して止まる事が多いのですが、本種の学名(Enallgma circulatum)の「circulatum」は『群れをなす』という意味なので、名付けた人の観察眼には敬服するばかりです。


弟子屈町 2021年7月17日・7月31日

Kumagera
クマゲラの食痕

珍しく蒸し暑い天気の下での観察中、クマゲラが開けた見事な食痕に見惚れていると、足元からトンボの羽音が聞こえました。

Saraqsa
サラサヤンマ♀:産卵

羽音の主は産卵中のサラサヤンマ。
今年はメスの数が随分と多く、同じ場所で2〜3個体が産卵していました。しかも全く水気のない所に産卵する事もあるので、1〜2回ほど産卵中のメスを危うく踏みそうになったほどです。
そして、劇的瞬間を目の当たりにした時は、さっきまで脳内を占めていた蒸し暑さによる不快感が、不思議とどこかへ消えてしまうものですね。

Ainomidori
アイノミドリシジミ♂

帰り際にはアイノミドリシジミまで現れ、短時間ながらも成果の多い一時でした。


弟子屈町 2021年7月9日 

Oninoyagara
オニノヤガラ

Sarasa
サラサヤンマ♂:パトロール飛翔

サラサヤンマの飛ぶ季節になりました。
ここ数年、道東では積雪量の少なさにより乾燥化の進んだ湿地が多いのですが、そのような状況下でも命を繋いでいる事が確認できると毎回ほっとしますし、何より嬉しい瞬間です。


弟子屈町 2021年7月4日 

Nihonkawa1
Nihonkawa2
ニホンカワトンボ♂:橙色翅型(上)・無色翅型(下)

Moiwa
モイワサナエ♂

川辺のトンボも続々現れて来ました。
ニホンカワトンボなど、流水性のトンボの羽化を観察したいと常々考えているのですが、近場で確実に生息している場所がヒグマの縄張りでもあるので、遭遇率が高い早朝に行く勇気が未だに出せないでいます。

Ezosiro
エゾシロチョウ:集団吸水

これからの季節、涼しいと思われがちな北海道でもウェーダー着用でのトンボ観察は暑さが伴うので、エゾシロチョウ達を見習って水分補給を忘れないようにします。


阿寒町  2021年6月27日

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