蜻蛉の手帳

北海道東部を拠点に、昆虫のトンボを中心とした観察記録・写真を掲載しています。 なお、某有名文房具とは一切関係ございません。

2020年01月

Urogomphus
Urogomphus*属の化石

 所用で札幌まで行ったのですが、北海道大学総合博物館へ立ち寄った折に、ジュラ紀頃のトンボとされる化石が展示されていたので、思わず見入ってしまいました。
 体長は15cm程度で、現存する大型のトンボ類とさして変わらない大きさですが、前翅にある色の付いた部分や、頭部には何やら触覚らしき物まで付いているように見えるので、原生のトンボとはどこか違った雰囲気を漂わせています。

 Urogomphus*属?という事で、名前が似ているサナエトンボ科(Gomphidae)かミナミヤンマ科(Chlorogomphidae)の御先祖かと思ったのですが、どうやらAeschnidiidae科という絶滅したグループに含まれる種のようです。
 古代トンボと言えば、体長1メートル近い超大型トンボのメガネウラが有名ですが、石炭紀末に当たる2億9000万年前にはメガネウラは絶滅しています。一方で、絶滅を回避できたUrogomphus属含む他の種は約1億年後のジュラ紀まで生き存え、一部は結果的に絶滅したと言えども、この段階で既に現生のトンボとほぼ同じ形態になっていたという点には、壮大な時の流れと共に生命の進化・変化についての途方もない歴史を感じずにはいられませんでした。

 使い古された言葉かも知れませんが、昆虫は地球上の、特に陸上動物における大先輩なのだなという事が、改めて身にしみた一時でした。


*(種名標の表記はUrogonnphusとなっていますが、おそらくUrogomphus


札幌市 北海道大学総合博物館 2020年1月24日 

icebabble
kussyaro

 週明けに雪が降りそうなので、積もる前に透明な氷の張った湖を見ようかと思ったのですが、雪ではなく霜に覆われていました。アイスバブルも辛うじて確認できましたが、雪が降ったら見渡す限りの白銀の世界に変わってしまうので、今年はこれで見納めですね。

あと、2枚目の写真。今見返していたら気がつきましたが、左下に写っている気泡がハート型ですね。インスタ映えしそうな自然の造形でした。

弟子屈町 2020年1月18日

Ooakagera
エゾオオアカゲラ♀

Todo
トドの群

 年が明けて、道東では寒さが日に日に増しています。週間予報では最高・最低気温共に氷点下なので、予報で明日の最低気温が−10℃より下がらないというだけで「今夜は暖かいな」と思う始末です。

 そんな年明け早々。流氷が来る前に、羅臼に住む友人を尋ねてトドを見に行ってきました。船に乗ってのトドウォッチングツアーもあるのですが、陸からも見られる場所があるという事で行ってみると、幸運にも総勢23〜25頭前後の群が波間に漂っていました。みんなで固まって漂いつつ、コンブを咥えたり、ジャンプして遊ぶ姿が時折見られ、一頭が上げた警戒の鳴き声に群が注目したところで(写真の状況)、この後ゆっくりと沖合に移動して行きました。
 観察時の気温は−3〜4℃で、海辺なので風が加わって体感温度は−10℃近かったはずです。この後に昼食で食べたカレーが、ことさら体に滲みました。


*タイトルの「でんじゃあ・ぞーん」とは、いがらしみきお氏作の漫画『ぼのぼの』にて、主人公のぼのぼの(ラッコ)が、天敵のトドがいる場所をそう呼んでいます。詳しくは原作1巻をご覧ください。


弟子屈町 2019年12月29日:エゾオオアカゲラ 
羅臼町 2020年1月4日:トド 

クルミ食ってる場合じゃねぇ!!
ネズミ目リス科リス属 エゾリス (弟子屈町 2019年3月30日)

 明けましておめでとうございます。今年も『蜻蛉の手帳』を宜しくお願い致します。

 初笑いになる事を期待して、干支に絡んだ苦し紛れのネタではありますが、『笹食ってる場合じゃねぇ!!』で、ぜひご検索下さい。ポーズ的には割と近いと思いますので。

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