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ホンサナエ♂

エゾカオジロトンボ祭り見物の翌日、知り合いの虫屋さんからホンサナエがたくさんいると聞いていた水辺に向かいました。すると出し抜けに発見し、見れば汀で目を光らせるオスの姿が点々と見えます。
歩いて確認した約500メートルほどの範囲だけでも、40個体前後いました。

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個体数が多かった事も幸いしてか、中にはかなり近距離まで寄らせてくれるオスもいたので、広角撮影もこの通りです。

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ホンサナエ♂:パトロール&探雌飛翔

一つ面白かったのが、夕方近くになると多くのオスがホバリング気味に水面近くを飛行する行動を頻繁に行っていた事です。

以前に、オナガサナエのオスが早朝の川面でホバリングを行いながらメスを待つ光景を見た事がありましたが、ホンサナエも似たような行動を取るとは知りませんでした。
また、この日は計5時間水辺で行動を見ていたのですが、その間にメスが現れたのはわずか3回。しかもその内の2回は、オスに捕捉されて連れ去られ、産卵に成功していたのは1回だけでした。それも、オスの密度が一時的に薄くなった瞬間を見計らうかのようにパッと現れ、打水産卵後にすぐさま上空に離脱するという早技で、その間はわずか3〜4秒!?

メスに出会うのは、なかなかに難しそうです。

Ozirowasi
水面を凝視するオジロワシ

陽も傾き、そろそろ引き上げようかと荷物をまとめ始めた時、水面上空にオジロワシが現れ、何やら下を凝視した後に飛び去りました。

Ezosika
水面を泳いで横断するエゾシカ♀

オジロワシの目線の先を辿ると、なんとそこには水域を泳いで横断するエゾシカが。対岸へ行くために、岸辺を回り込まずに近道して泳いで来たようです。
当のエゾシカは「なんでこんなところにいるの!?」という目線を向けていますが、こっちも同じ心境です。エゾシカはこの後無事に上陸し、私に一瞥くれると森の中に消えて行きました。

ホンサナエの乱舞という素晴らしい光景と共に、シカも近道するのだなぁと、面白い事の多い一日でした。 


釧路湿原 2020年6月14日