蜻蛉の手帳

北海道東部を拠点に、昆虫のトンボを中心とした観察記録・写真を掲載しています。 なお、某有名文房具とは一切関係ございません。

カテゴリ: 植物

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昨年に紅葉狩りへ出掛けた森の小径へと行ってきました。盛りはやや過ぎつつありましたが、それでも目を楽しませてくれます。

Mizuki
ミズキ

Kosiabura
コシアブラ 

紅葉と聞けば、字の如くカエデ類がまず思い浮かびますが、野山の木々をよくよく見ていると他にも紅葉する種がたくさんあります。
ミズキの濃黄色もさることながら、コシアブラの上品な淡黄色も美しい物です。

Miyamakakesu
ミヤマカケス

そんな秋の森の中を、『ギャーギャー』という鳴き声を発しながら飛び回るミヤマカケス。今年は好物の堅果(どんぐり類)が凶作のため、心なしか忙しそうに見えました。


弟子屈町 2020年10月25日 

Yamadorizenmai
ヤマドリゼンマイ

Yamaurusi
ヤマウルシ

Miyama
ミヤマアカネ♂

とうとう日光浴をするアカネ類が目立つ季節になってしまいました。今週末に至っては最低気温が-1℃という予報が出ているので、この日が年内最後のトンボ観察になるかもしれません。
白一色の長い冬が来る前に、紅葉と赤トンボの色をしっかりと脳裏に焼き付けておきたいものです。


弟子屈町 2020年10月2・10日

天気予報によると週末からの最低気温が7℃と出たのですが、現在進行形で室内に長袖でいても肌寒いため、試運転も兼ねて早くもストーブを点けました。
秋が始まったばかりなのにもう冬なの??、と突っ込みたくなる気温です。

Mutu1
ムツアカネ:交尾

Susuki
ススキ

道東でトンボたちと戯れる事ができるのも、持ってあと1ヶ月というところでしょうか。

阿寒町 2020年9月19日 

ルリイトトンボとしばし戯れてみました。

Ruriito1
Ruriito2
Ruriito3
ルリイトトンボ♂

いざ相手にすると、結構動き回るので単体での撮影をすんなりとさせてくれません。
今回はあえてイソツツジ(エゾイソツツジ)に止まっているところを狙ったのですが、この植物は道内の特に湿地や高山帯で見られるので、北国の水辺らしい青い妖精のいる風景になりました。


弟子屈町 2020年8月24日

Himeakane3
Himeakane1
ヒメアカネ♂

北海道内では、生息地が少し限られているヒメアカネを見に行って来ました。

Himeakane4
ヒメアカネ♂:ガガンボの一種を捕食 

HImeakane5
ヒメアカネ:交尾 

ヒメアカネは特に湿地環境を好むアカネ属(赤トンボ)ですが、湿地ならばどこでも良いという訳でもなく、植物がそれほど高く繁っておらず、泥がある程度上から見える様な湿地、つまりは放棄水田の様な湿地化して間もない環境が好みの様です。

道内の特に道東では湿地環境に事欠きませんが、『湿地』と一口に言っても実は意外と多彩です。
ミズゴケが絨毯の様に広がる湿地なのか、厚い泥炭の上にカヤツリグサ科やイネ科の植物が低く茂っているのか、あるいは背丈を越すヨシの群落に覆われているのか、浮島があるのか、水量の多・少など、この数年に見て来た道東の湿地環境だけでもかなり多様性に富んでいます。
かつて活動していた本州とは状況が異なる場面も多いので、『こんな環境にこのトンボがいるのか!』と驚く事は日常茶飯事です。

Ezotombo1
エゾトンボ♂:パトロール飛翔

Ezotombo2
エゾトンボ♀:休止

忘れがちながら、このエゾトンボも湿地環境が好きな一種です。
道内では、車での移動中に100mごとにフロントガラスにぶち当たるほどたくさんいますが、その理由の一つも湿地の多さが関係しているのでしょう。


Sawagikyou
湿地でよく見られるサワギキョウ

湿地・湿原という環境は、自然環境の移り変わり(遷移)においてはとても不安定で、本来ならばすぐに乾燥化して草原や林になるのが常です。
しかし北海道は、寒冷な気候のため枯れた植物が分解されにくく、特に淡水域ではそうした植物が腐らずに積み重なって分厚い泥炭を形成しています。結果として土壌の生成も遅くなるだけでなく、夏場でも高温の日がわずかなので、乾燥化が非常に緩やかになります。その上、ある程度遷移が進んでいたとしても、大雨や嵐で川の水量が増せば撹乱され場合によっては振り出しに戻るので、より湿地としての期間が長くなります。

改めて、日本で北海道にのみ or 特に北海道に多く分布するトンボの生息環境を確認してみると、湿地や湿原・高層湿原となっています(カラカネイトトンボ、イイジマルリボシヤンマ、エゾアカネなど)。
本来ならばすぐに消えてしまう環境が気候条件によって維持され、しかも広大な面積が確保されているという事が、北海道特有の種が生きながらえて来た理由に関わっているのかもしれません。


釧路湿原 2020年8月23日 

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