蜻蛉の手帳

北海道東部を拠点に、昆虫のトンボを中心とした観察記録・写真を掲載しています。 なお、某有名文房具とは一切関係ございません。

カテゴリ: ハエ

forest

週末に一日半雪が降り続け、積雪が一気に30cmまで上がりました。
日本海側の積雪量と比べたら微々たるものですが、2時間半かけて家の周りを綺麗に除雪したはずが、一夜明けたら元に戻っている光景を目の当たりにすると、あの2時間半はなんだったのかと虚しくなります。

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クモガタガガンボの一種♂

昨年購入した防寒装備のおかげで、雪深い中での観察が快適になりました。
観察初めと目慣らしも兼ねてクモガタガガンボを探してみたのですが、大雪後の雪上を元気に歩く姿を見ていると、除雪の苦労も和らぎます。


弟子屈町 2021年1月10日 

Mizubasyou
ミズバショウ

Biroudoturisbu
ビロウドツリアブ

 下旬になって暖かさが増して来たので、他の花々も咲き始めました。ミズバショウが顔を出した湿地では、エゾアカガエルの軽快な泣き声がこだまし、昆虫もちらほらと飛ぶようになりました。

Ookamenoki
オオカメノキの新芽

 そして、今の時期に出るオオカメノキの新芽を見ると、いつも思うのです。形と色と質感が、リーフパイそのまんまだな、と。

弟子屈町 2020年4月25日 

lake&pass
 全国的に雪が少ない冬ではありますが、ちょっとずつ降り積もった雪によって野山や水辺は凍りついています。
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 そんな昆虫とは無縁の季節かと思いきや、晴れた日に森の中へ行くと、雪上には動く昆虫の姿が!
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クモガタガガンボの一種♂

 こちら、冬季に活動するという特殊な生態を持つガガンボの一種、クモガタガガンボです。
 他のガガンボ類のように折れそうな長い脚とは異なり、がっしりとした脚を活かして雪上を歩きます。そのため、翅は退化してほとんど原型を留めていません。一見すると、クモかと思える雰囲気なので、和名の『蜘蛛型ガガンボ』は十分頷けます。

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クモガタガガンボの一種♀

 こちらは同種と思われるメスの個体です。オスは寸胴体型なのに対して、メスは腹部の先が尖っているので、初見での識別は難しくありませんでした。

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危険を感じると脚を畳んでじっとする

 息を吹きかけたり指で軽く触るなどして刺激を与えると、危険を感じて脚を畳んでじっとするのですが、こうなるとますますクモに似てきます。また、発見時も含めて観察中は雌雄共にひたすら歩き続けており、止まる事がありませんでした。 
 クモガタガガンボの研究はほとんど進んでおらず、国内に生息する種数や、野生での生態含めて不明な事だらけのようです。厳冬期であれば、生息環境や餌資源の観点から他の種との競争は避けやすいかとは思いますが、一方で、例えば隠れる場所の無い雪上を歩いている時は、鳥類にすぐ見つかる危険性もあるはずです。深海魚や高山植物の様に、あえてこの生存戦略を取った(あるいは取らざるを得なかった?)何かがあるのかもしれません。

 ところで、北海道の野外でクモガタガガンボを探そうと思ったら、除雪されているわけがない雪深い野山を歩く必要が当然出てくるわけですが、先日札幌へ出かけたのは、厳冬期の野外観察を快適に行うための装備調達が目的でした。スノーシュー(西洋かんじき)やスノーブーツ含め、占めて1○万〜近い買い物でしたが、、、お蔭様で上から下まで整えた完全武装により、冷たい物といったら世間からの目線くらいかなと思えるほど、快適になりました。

弟子屈町 2020年2月14日 

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