Urogomphus*属の化石
所用で札幌まで行ったのですが、北海道大学総合博物館へ立ち寄った折に、ジュラ紀頃のトンボとされる化石が展示されていたので、思わず見入ってしまいました。
体長は15cm程度で、現存する大型のトンボ類とさして変わらない大きさですが、前翅にある色の付いた部分や、頭部には何やら触覚らしき物まで付いているように見えるので、原生のトンボとはどこか違った雰囲気を漂わせています。
Urogomphus*属?という事で、名前が似ているサナエトンボ科(Gomphidae)かミナミヤンマ科(Chlorogomphidae)の御先祖かと思ったのですが、どうやらAeschnidiidae科という絶滅したグループに含まれる種のようです。
古代トンボと言えば、体長1メートル近い超大型トンボのメガネウラが有名ですが、石炭紀末に当たる2億9000万年前にはメガネウラは絶滅しています。一方で、絶滅を回避できたUrogomphus属含む他の種は約1億年後のジュラ紀まで生き存え、一部は結果的に絶滅したと言えども、この段階で既に現生のトンボとほぼ同じ形態になっていたという点には、壮大な時の流れと共に生命の進化・変化についての途方もない歴史を感じずにはいられませんでした。
使い古された言葉かも知れませんが、昆虫は地球上の、特に陸上動物における大先輩なのだなという事が、改めて身にしみた一時でした。
*(種名標の表記はUrogonnphusとなっていますが、おそらくUrogomphus)
札幌市 北海道大学総合博物館 2020年1月24日