蜻蛉の手帳

北海道東部を拠点に、昆虫のトンボを中心とした観察記録・写真を掲載しています。 なお、某有名文房具とは一切関係ございません。

2021年03月

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フロストフラワー

月が変わってから気温が少しずつ上がる予報なので、冬が終わる前に氷上にできるフロストフラワーを見てきました。
夜間から早朝にかけての気温が氷点下15℃以下で、なおかつ無風状態でなければできない現象なので、今冬はこれが見納めかもしれません。

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ookame
オオカメノキの新芽

暦の上では啓蟄を過ぎた事もあってか、日差しがかなり暖かくなり、植物の動きも見え始めました。


先日、気象庁が長年続けていた『生物季節観測』について観測種を大幅に削減する事が発表されましたが、その結果、植物の多くと動物全てが廃止される事になりました。廃止された動物の観測対象には、シオカラトンボとアキアカネの初見日(その年に成虫を初めて確認した日)が含まれていたので、一介のトンボ屋としては感傷に浸ってしまいます。
しかも、廃止の原因が環境の変化により観測地点から対象種が消えたという事には、考えさせられる物がありますが、気候や環境の変化をいち早く敏感に示すのは自然界の生きものですから、『いる・いない』を調べるだけでもとても重要な記録になったはずです。

幸いにも、日本には地道に自然を観察している方が沢山いらっしゃいます。そのような方達と話す時に、必ず一度は出る一言が『今年は〇〇が出るのが早い・遅い』なので、前年からの気候も加味した上での経験則から出る予想のみならず、長年の情報蓄積量たるや凄まじい物があると常々感じています。
本ブログも、北海道の辺境の自然を細々と紹介しているに過ぎませんが、このような個人のしがない記録でも残していく必要があるのかなと感じました。


弟子屈町 2021年3月7日 

draw

観察初めからかなり間が空きしましたが、雪に埋もれて冬眠していたわけではありません。
と言いつつも、昨日の吹雪で玄関前に高さ1mの雪山ができたので、埋もれていた事には違いないです。

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黒いキタキツネ

吹雪前の観察で、黒いキタキツネを見かけました。
かつて、毛皮目的で道内にギンギツネ(ユーラシア・北米大陸に生息するアカギツネの黒色個体)が移入されたのですが、その後逃げ出して野生のキタキツネと交雑した結果、ギンギツネの遺伝子が含まれた個体がいるようです。
今回の個体は、本来のキタキツネの黄色が絶妙な具合で混ざっていて、一瞬足の長いエゾタヌキかと思いました。


弟子屈町 2020年2月28日 

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